「認知症アクション週間」と「世界アルツハイマー月間」:大切な人との対話を始めましょう
認知症について話すのは、必ずしも簡単なことではありません。
身近な人の様子に変化を感じ、何か声をかけようか迷ったことはないでしょうか。あるいは、大切な人がすでに認知症を患っているものの、その人に現れている変化や、必要とされる支援について、どう話しかければよいか分からないということもあるかもしれません。あるいは、単に認知症についてもっと理解を深め、その人が助けを必要としたときに寄り添えるようになりたいと思っているだけかもしれません。
9月は、こうした対話を始める重要な機会となります。「世界アルツハイマー月間」は9月を通じて開催され、「認知症アクション週間」では、オーストラリアの人々に、認知症についてより率直に話し合い、誤解を解き、理解を深めるよう呼びかけています。
家族にとって、こうした会話では必ずしもすべての答えを出せる必要はありません。時には、ただ耳を傾け、大切な人が何を大切にしているのかを理解しようとする姿勢を示すことが、有意義な第一歩となることもあります。
認知症とアルツハイマー病について
「認知症」と「アルツハイマー病」という用語は、時に同じ意味で使われますが、厳密には同じものではありません。
認知症とは、記憶、思考、行動、日常生活を送る能力などに影響を及ぼすさまざまな症状を表す総称です。認知症にはさまざまな種類や原因があります。
アルツハイマー病は、認知症の中で最も一般的なタイプです。
人それぞれの経験は異なります。認知症は、人によってさまざまな形で、またさまざまな段階で現れます。だからこそ、診断結果だけにとどまらず、その人一人ひとりのニーズや好み、経験を理解することが重要なのです。
なぜ認知症について話すことが重要なのか
認知症について話し始めることにためらいを感じるのも無理はありません。
誰かを不快にさせてしまったり、不適切な発言をしてしまったり、相手の状況を勝手に推測してしまったりすることを心配しているかもしれません。本人にとっても、こうした変化が自分の将来にどのような影響をもたらすのか、不安を感じているかもしれません。
しかし、その話題を避けると、かえって皆の不安を募らせてしまうこともある。
率直かつ敬意を込めた会話は、大切な人が自分の気持ちや、何に苦労しているか、そして何が自分にとって大切なのかを打ち明ける機会となります。また、こうした会話を通じて、家族は、その人の選択の自由や自立心を損なうことなく、どのように支援すればよいかをより深く理解できるようになります。
何よりも重要なのは、認知症について話す際、必ずしも「その人がもうできなくなったこと」に焦点を当てる必要はないということです。その人が楽しんでいること、その人にとって大切な日課、そばにいてほしい人、そしてどのような支援を受けたいかといったことについても話すことができます。
大切な人と会話を始める
認知症について会話を始めるのに「完璧な方法」などありませんし、始める前にすべてを計画しておく必要もありません。
慣れ親しんだ、居心地の良い場所を選ぶと良いでしょう。二人とも時間に追われておらず、周囲の気が散る要素が少ない時間帯を選んでみてください。
その後は、相手の気持ちを勝手に推測するのではなく、対話をオープンな状態で進めましょう。例えば、本人が何か変化に気づいているかどうか、最近どんな気分で過ごしているか、あるいは何か手助けが必要かどうかなどを尋ねてみるとよいでしょう。
また、次のようなことも役立ちます:
- 問題を解決しようとする前に、まず相手の話をよく聞いてください。大切な人が自分の言葉で気持ちを説明できる時間を与えてあげてください。
- 相手の体験に焦点を当てましょう。自分が気づいた症状や変化だけに注目するのではなく、相手にとって何が大切なのかを尋ねてみてください。
- 焦らないでください。一度の会話ですべてを網羅できないかもしれませんが、それで構いません。
- 意思決定に本人を巻き込む。可能な限り、介護や支援に関する決定は、単に本人のために下すのではなく、本人と共に行うべきである。
- 対話を続けていきましょう。ニーズや好みは時間とともに変化する可能性があるため、これは一度きりの話し合いである必要はありません。
時には、最初の会話で最も役立つのは、単に「あなたの話を聞くためにここにいる」と相手に伝えることだけである。
自立を奪うことなく、支援について語る
家族によっては、ほんの少しのサポートがあれば役立つかどうかについて話し合うことが、最も難しい会話の一つとなる場合があります。
介護に関する会話では、その人が何に苦労しているかに焦点が当てられがちです。しかし、もっと役立つ出発点としては、「どのようなことがあれば日常生活が楽になるか」「その人にとって大切なことを続けられるようになるにはどうすればよいか」と尋ねてみることです。
具体的には、家庭での日常的な家事の手伝い、地域社会への外出、通院の付き添い、社会的なつながりの維持、あるいは安心感や安定感をもたらす日課の確立などが挙げられます。
支援を受けることは、その人が自立を諦めなければならないことを意味するわけではありません。適切な支援とは、その人を中心に据え、その人が自ら選択を続け、自分にとって意味のある形で日常生活に参加できるよう支えるものです。
認知症の方への支援
大切な人が認知症を患っている場合、その人のニーズは時間の経過とともに変化することがあります。それでも重要なのは、その人が、独自の好み、習慣、人間関係、そして人生経験を持つ一人の人間として、引き続き尊重され続けることです。
慣れ親しんだ環境は、とりわけ貴重なものです。日常の習慣を続け、身近な人と時間を過ごし、好きな活動に参加することは、つながりや安心感を生み出す助けとなります。
また、家族があらゆる変化に自分たちだけで対処しなければならないわけではないということも、忘れてはなりません。支援を求めることで、状況が変化しても、認知症の方だけでなく、その身近な人々も、よりしっかりと準備ができていると感じられるようになります。
ライフケアによる認知症ケアとサポート
ライフケアでは、認知症の支援とは、単に日々の生活動作をこなすこと以上のものだということを理解しています。まずはその方を知ることから始まります。
当施設の認知症ケアと支援は、一人ひとりの個別のニーズ、生活リズム、好みに合わせて構成されており、その方にとって大切な人々、活動、そして日常のひとときとのつながりを維持できるよう支援することに重点を置いています。
また、認知症は本人だけでなく、その家族や身近な人々にも影響を及ぼすものであることも理解しています。利用できる支援について相談できる相手がいれば、どのような選択肢があるかを理解しやすくなり、ご家族にとって最適な決断を下す助けとなるでしょう。
ご自身や大切な方の認知症ケアについて考え始めているなら、当チームのスタッフが皆様のお話を伺い、ご質問にお答えし、どのような支援が受けられるかをご理解いただけるようお手伝いいたします。